東京は台風の影響もあってか、氷雨が続いています。ほのかな香りを放っていた
金木犀の花が地面をオレンジに染め、視覚でも秋の到来を告げているようです。
10年ほど前、友人の垣内磯子さん(詩人・作家)と国立市の画廊で2人展をしました。
彼女の豊かな詩の世界と私のコンテンポラリーな写真とを組み合わせ、造形作家の方
に額を作っていただき飾りました。
オープニングでは画廊にアップライトのピアノを入れ、今、NHKFMで活躍中の
ピアニストの小原孝さんに演奏をしていただきました。贅沢な話ですが、
お顔が広い垣内さんのおかげで、お友だち価格にしていただけたので。
そのときの彼女の詩を一編、ご紹介します。写真はそのときのではありませんが…
金木犀の木の下は 金色のみずたまり
まぶしいほどの花鏡
知っていますか この鏡には
笑顔しか うつらないことを
たとえ悲しいことがあっても
一日に一度は ひとり 鏡をのぞいて
笑顔のまねだけでも してみるようにと--------------------------------------垣内磯子詩集/鳥の言葉に風の言葉で/落花
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