10日の早朝、義父が旅立ちました。
9日夜「また明日来るね」と別れたのですが、何時間もしないうちに、その明日が来てしまいました。
義妹が福井県から来て安心したのか、彼女に会って半日も経たないうちに行ってしまったのです。
看護師さんに義母の時とお揃いの浴衣を着せてもらい、義父は穏やかに横たわっていました。胸元近くには半開きした扇子が…
ふと見ると半透明のグレーの地に、こげ茶のトンボが飛んでいる図柄…これって、トンボ…ああ、お義母さん、ずーっと一緒にいてくれたのですね…
ホスピスの夏祭りの時に何本かの中から義父が選んだという扇子…夏からずっとあったというのに私は、その存在さえ知らなかった。
が、義妹は選ぶときに一緒だったし、夫は見舞った時によく使っていたとのこと。しかし、ふたりとも今日までその図柄には気がつかなかったのだと…「お祭りの浴衣だから、扇子を置いてみようと思って」と若い看護師さん。
ボーっとした頭ではありますが、旅立つ義父の粋な演出に感動している私です。